国立天文台について
国立天文台は、日本の天文学の中核を担う研究機関です。
大学共同利用機関として、大規模な天文観測・研究施設を全国の研究者に提供するとともに、 天文学研究と天文観測機器の開発を広く推進しています。
さらに世界の先端研究機関として、国際協力のもと、天文学の発展のために活動しています。
歴史
国立天文台は、1888年6月に東京天文台として麻布飯倉に開設されました。
1914年に現在の場所である三鷹に移設が開始され、1921年に本館・太陽写真儀室・第一赤道儀室が完成しました。
1926年以降、研究施設が建設され1988年に現在の姿になりました。
見学可能施設
天文台には登録有形文化財に登録されている歴史的な建物を含め、様々な施設を見学することができます。
- 第一赤道儀室
- 鉄筋コンクリート造りの2階建ての建物で、1938年(昭和13年)から61年間、太陽黒点のスケッチ観測に活躍しました。
20センチメートル屈折望遠鏡を操作し、太陽表面の黒点を観察できます。
三鷹キャンパスでは最も古い観測用建物として、2002年2月に国の登録有形文化財になりました。
- 天文台歴史館
- 焦点距離10メートルに及ぶ屈折望遠鏡をすっぽり納めた木製ドーム部分は、造船所の技師の支援を得て造られためずらしい建築になっています。
長焦点の(筒の長い)望遠鏡を得意とする星の位置測定を主に行ってきました。
第一赤道儀室と同じく、2002年2月に国の登録有形文化財になりました。
- 6mミリ波電波望遠鏡
- 1970年に完成した、世界で3番目、国内では初めてのミリ波電波望遠鏡です。
新たな星間分子の検出、オリオン星雲や天の川銀河の中心領域での星間分子の分布観測など、画期的な成果を挙げました。
この望遠鏡は、第2回(2019年度)日本天文遺産に認定されました。
- 旧図書庫
- 20世紀末まで図書資料を保管していた建物で、1930年に建てられました。
太陽塔望遠鏡と同じように、壁面がスクラッチ模様のあるスクラッチタイルで装飾され,ひさしのデザインなどにも当時の近代建築物の特徴がみられます。
2014年4月に国の登録有形文化財になりました。
現在は、外観のみ見学できます。
イベント
多くの方々に天文学の面白さ・不思議さに触れていただき、天文学に興味を持っていただけれるよう、様々なイベントを毎月開催しています。
- 定例観望会
- 毎月2回、定例観望会(定員・申込制)を開催しています。
50センチ公開望遠鏡では迫力のある月のクレーター、木星の縞模様やガリレオ衛星、土星の環などがよく見えます。
また、星雲、星団などの淡い天体も観望天体となることがあります。
- 4D2Uドームシアター
- 4D2Uとは、空間3次元と4次元を合わせた宇宙を、デジタルデータで可視化したものです。
天体や宇宙の構造や進化してきた様子をわかりやすく、目の前で体感することができます。
最新の観測データや理論研究に基づいて再現された迫力ある立体映像をご覧いただけます。